九日目。

今日も、きりがこい。

くまはしばらく近くにいるようだったが、ひるごろどこかへいった。

中央でかたまったまま、すこし眠る。

ひどくしずかだ。

夕方、くまのあしおとでおきる。

ついとつされると泣きさけびたくなるが、どうにかたえる。

かえりたい。

くまはなぜ、おそってこないのだろう。

夜中、テントのそとをのぞいた大介が、僕のかたをゆさぶる。

「くまじゃない」といっていた。

「見た事もないいきものが、しげみの中に入っていくのを見た」と。

なにもたべてないし、よく眠っていない。

大介はおかしくなったんだろうか。