隣の席のキミが好き

「青葉くん」




クルリと振り返ると、同じ中学の女子だった。




「あー…何?」




いつもなら、ニコッと微笑み甘い言葉のひとつでもかけるところだけど。




完全に腑抜けになっていて、そんな気もおきない。




当然、相手も困惑している。




「今日はどうしたの?いつもと違うね…」




「んー、いつもの俺と、今日の俺…どっちが好き?」




我ながら、冴えない質問だ。




きっと、いつもの俺って言うに決まってる。












「いつもの青葉くん…かな」




やっぱり。




「そっか」




俺はキャラを捨てきれない。




女子が望むなら、その方向でいくしかないよな。