――チリンチリン。


舞い上がっていると、坂の下から自転車のベルの音が聞こえてきた。



「青葉~、なにしてんだよぉ」



見れば、金髪に近い髪色で制服をかなり気崩した男の子が、自転車をこいで坂をのぼってきていた。



わっ…派手!



その子を見てビビるあたしだけど、金髪の子の目線は、青葉くんに注がれている。



友達……なんだ?



このふたりが一緒に歩いてたら…



かなり、目立つかも。









「今日、ツイてる」



え。



青葉くんが、チラッとあたしを見る。



ウソ、あたしの顔に何かついてる!?



もしかして、今朝食べたおにぎりの海苔が口に!?



慌てて口元に手をあてると。



「この子、かわいくね?」



そう、青葉くんが呟いた。