浮気亭主と借金地獄妻(短編)

「どうして?」

「どうしてって…ええっと、そう、背中に付いた髪の毛って願い事が叶うんだよ!」

(我ながらうまい思い付きだぞぉ)

「願い事?」

「そ、そうさ」

「そんなの、初めて聞いたわ」

「知らない? 願い事をしながらこうするんだ」

邦生はそう言って背中を壁につけ、そのまま上下に屈伸運動しだした。