「啓」

「あー?・・んだよ」

「・・最近・・どうなんだ・・?」

「・・・」

「おっと、もうこんな時間か・・そろそろ行かんと。お前もサボらずに学校へ・・」

「わーってるよ!」

ーーー朝・・オレはいつものんびりと過ごす。

中学生のときに親が離婚した。

親父が母さんと離婚してからというもの、親父とは滅多には話さない。

さっきの意味の分からない会話も(・・・っていうか会話になってないけど)親父が変な気をつかっているに違いないことがまるわかりだ。

別に親父のことを嫌っているわけじゃない。

ただ、話すことがない、それだけだ。

親父はまあまあ名の知れたオモチャ会社の社長でオレが小さい頃はよく自分の欲しいオモチャの絵を描いて親父に見せていた。


親父と母さんは大恋愛の末にようやく結婚し、そして冷えきった仲となり離婚した。

オレは不思議ながらも全然ショックという感じはなかった。

むしろサッサと離婚した方がサッパリしていいと思ってた。

オレとしてはどっちが悪いかとかわからなかった。

ただ大恋愛の末の結果がこれなんだということだけだった。


今のオレには本気の恋愛なんて興味の欠片もない。


「・・・ふぅ」

めんどくせーけど学校行くか・・。

オレは傍らにおいていたカバンを片手にさっきまでいてたリビングをでて廊下を歩き玄関を開けた。

「・・・・!?」

ん・・?