「柚和ちゃん、可愛過ぎっ!!!柚和ちゃんが教室に入ってきたときから、声かけたくてウズウズしてたんだぁー!!!」
え、私に?!?!こんな素敵な子が?!?!
う、嬉しいっ!!!
「私、この高校に友達いなくて、緊張しちゃって。沙友ちゃんみたいな子と友達になれて嬉しい!!!これからよろしくね!!」
その場に和やかな空気が流れていた。けど、すぐにその空気は壊れた。
というより、空気が「止まった」って言った方がいいかもしれない。
その空間にいた全員が、一点を見つめる。
そこにいたのは。
黒髪で、背が高くて、スラリと伸びた手足を持つ、そんな男の子。
「あれ。クラスメイト...??」
「かっこよくない?!?!」
「一目惚れしたわー」
何人かがコソコソと話す声が聞こえる。
確かに。ちょっとかっこいい。
でも、私の趣味じゃないかな。
