「では、早速自己紹介といきましょうか」


 こうして始まった我がクラスの自己紹介。


 後でうまく話せるように必死で顔と名前を覚よう。


 二人が自己紹介をし、私も自己紹介をする。


 特に特別なものでもなかったけれど、周りの反応は悪くはなかった。


 さらに数人が自己紹介をし、私の運命が巡ってきた。


「烏山中学校出身、小鳥遊雀(タカナシスズメ)です」


 その名前を聞いた瞬間、思わず彼の顔を二度見してしまった。


 もし、落ち着いていたら恥ずかしいと思うだろう。


 あ、いや二度見するときに落ち着いているわけないか。


 小鳥遊雀。確かに彼はそう言ったのだ。


 私はその名前に覚えがあった。


 あれは小学三年生の頃。