今日もスズを家の前で待っているんだよ。


 一緒に帰った時に家の場所がわかったんだ。


 あ、スズが家から出てきた!


 これでにこって笑って私におはようって言ってくれたらいいのに。


 でも、現実はそんなに甘くないんだよなぁ。


「おはよう、スズ」


 スズは私を無視するように前に進んでいった。


「ちょっと待って?スズ?」


 私を無視しないでよ?


 私をちら、とみてすぐに前を向いて歩き出すスズ。


「え?ちょっと?」


「・・・どちら様で?」


「小鳥だよ?って言うか毎日あってるよね?」


 ええっと、これってフレンドリーなジョークも言えるような仲ってことだよね?


「・・・じゃあな」


 そういってそそくさと歩き・・・出すと思ったら家の敷居の中に入った。


 あれ?


 しばらくして出してきたのは、自転車。


 自転車?


 自転車にまたがって走り出すスズ。


 え?


「ちょっと待ってよ!!」