「はあ」


 せめて、せめて誰か、一人でもいいから友達がほしい。


 そう思うこともある。


 と、言うより今、そう思っている。


 だが、俺と知り合うと不幸になる。


 本当に友達ならば。


 相手を自分から不幸にしに行っていい、なんてことはないはずだ。


 それに、記憶を失う前の友達だった奴も。


 事故にあったのかもしれない。


 ・・・・・・こんなことを考えても仕方ない。


 そういえば、あの稲鳥小鳥というやつは俺の過去の知り合い、しかもあだ名で呼び合うような仲だったようだ。


 なら、あいつはなぜ不幸じゃなかったのか。


 いや、これこそ考えても仕方がない。


 もしかしたらあっているのかもしれないしな。


 今日はクルにえさをあげて、もう寝よう。