不幸な彼と私の恋

 その言葉を言った瞬間、やはりはたから見てわかるぐらいに顔が変化する。


 こいつ、わかりやすいな。


「おい」


 返事がない。


 手を振ってみる。


 だめだ、なんも反応がない。


 あ、自分の席に戻っていった。


 なんだったんだ、こいつ。


 再び寝たふりをする。


 あと二時間。


 しばらく耐えるか。