気がつくと私は家の前に立っていた。


 いつの間に帰ったんだろう。


 それぐらいショックが大きかった。


 まさかスズが記憶喪失だなんて。


 ということは中学校は別だった私のことはすっかり忘れている訳で。


 つまり彼との関係はゼロから!?


「ってなんでそんなこと!?」


 しまった。


 うっかり口に出してしまった。


 けど、近くに誰もいないだけましだった。


 ただ、やっぱり恥ずかしいものでいそいそと家の中に入った。