「ごめんね、まった?」


「まった。けど気にしないで」


 正直なのはいいことですねー。


 まあ小学生なんだしもし、「いや、今来たところ」なんて言ったらませてるなー、なんて思うけど。


 それは置いといて、「気にしないで」と言ってくれる優しさ。


 私は彼のさりげない優しさに惹かれていったのだ。


「ありがとー。じゃ、行こっか」


 私はその日、別れる時に告白しようと思っていた。


 振られたら逃げられるように。


 わあ、なんてマイナス思考?


 こういう言葉は今だからこそ言える。


 あのときは降られるのがこわかったからね。


 その日は何を話したかは覚えていない。


 そして、別れの十字路。


 私は話を切り出す。