皆が部室を出て行った。


俺はひとり、いつも皆が服を脱ぎ散らかすベンチに座った。

オレンジ色のベンチが

夕日に照らされて赤くなっていた。



ガチャ



部室が空く音。

何度も何度も聞いた音。


「安堂君…お疲れ様」


少し潤んだ瞳。


今日の試合後もひとり泣かずに耐えてたお前。


瞳にうっすら涙が見える……

ありがとなぁ、俺らのために……