「おー、ちゃんと返しに来たな」




「電子辞書、ありがとう!


…これ、お礼です。」





急いで購買へ走って買ったクールミント味のフリスク。
神崎がよく食べているものだ。




「お前、よく知ってたな。
俺がこのフリスク好きなの。」




「よく食べてたから…


それで、条件てなに?」




「そうだなー。今日一緒に帰れ。
いろいろ言いたいことや聞きたいことあるし」




「わ、かった。」




「珍しく素直だな。


お前が素直だと気持ちわりぃ。


スコールでも降るのか?!笑」



「うるさいっ

スコールなんて降りませんー!」



久しぶりのやりとりに懐かしさを感じる。


とりあえず変な条件じゃなくてよかった…。





そういえば、神崎と帰るの2回目だな。





前に帰った時は私の行きたがってたショコラ屋さんへ連れて行ってくれたっけ。




あの日の神崎、すごく優しい顔で笑ってたんだよね。