背後から聞き慣れない男の人の声がして、あたしの耳は思わず反応する。
可愛いって……周りに誰か、可愛い女の子でもいるのかな?
それならぜひあたしも見てみたいと思い、キョロキョロと辺りを見回すが……
周囲に女の子なんて、あたしの他に誰1人いなくて。
なぁんだ、聞き間違いかぁ。そう思って、部屋へと歩き出すと……
「ちょっと待って!君だよ、君」
……え?
後ろから誰かに肩をポンッと叩かれ、あたしが反射的に振り返ると……
そこには、金髪に色黒で、耳にはピアスをした、大学生くらいの男の人が1人、ニヤニヤしながら立っていた。



