──数分後。 「はい、どうぞ」 ドリンクを入れに行ってくれていた日高くんが戻って来て、あたしの目の前のテーブルに、オレンジジュースの入ったグラスを置いてくれる。 「ありがとう」 なんか、もったいなくて飲めないかも。 そう思いつつも、あたしがグラスへと手を伸ばしたとき…… 横からスッと、別の手が伸びてきて…… 「!」 あたしよりも先に、その手があたしのグラスを掴んだ。