一通り自己紹介も終わって、みんなが順番に曲を入れて歌い始める。
「あ。柏木、ドリンク終わったな。俺、今からジュース入れに行くんだけど、ついでに柏木の分も取ってこようか?」
隣にいた日高くんが、あたしが持っているたった今空になったグラスを指差す。
「えっ、いいの?」
「うん。何がいい?」
「えっと、じゃあ……オレンジジュースでお願いします」
「りょーかい」
日高くんは笑顔でそう言うと、グラスを2つ持って、ドリンクバーコーナーへと席を立った。
日高くんって、気が利くんだなぁ。
日高くんは嫌なことも言わないし、やっぱり根っからのいい人だよ。誰かさんと違って。



