「ただいま、お父さん。今日は早いんだね」
「おかえり、結菜。ああ、今日は仕事が珍しく早く終わってね……」
あたしは、リビングのテーブルでコーヒーを飲んでいたお父さんと、向かい合って座る。
「ねぇ、お父さん。話って、何?」
あたしはさっそく本題に入る。
「ああ……」
お父さんはそう言ったきり、ずっと難しい顔をしたままで、なかなか口を開こうとしない。
わざわざ話があるって……何なんだろう?
あたし、何かお父さんを怒らせるようなことしたのかな?
頭の中を必死にフル回転させてみるが、特に心当たりはない。
「実はな、結菜。お父さん……」