「大和なんて、もう知らない」 「え?帰るって……おい、結菜!?」 後ろから、少し焦ったような大和の声が聞こえてくる。 ふふっ。大和ってば焦ってる、焦ってる。 普段大和にしょっちゅう意地悪されてるから、たまにはあたしもこうやって仕返ししないとね。 「おい、待てよ結菜っ!!」 「きゃっ!?」 あたしは、慌てて追いかけてきたらしい大和に、後ろから勢いよく抱きしめられた。