「だって今のお前……俺が好きでたまらないって顔してる」 「へ!?」 ほっ、本当に!? あたしは、自分の頬に手を当てる。 すっ、好きでたまらないって!大和ったら、よくそういうこと言えるわね。 そんな自信、一体どこから湧いてくるのよ!? 「あれ?俺には、好きでたまらないっていうふうに見えたんだけど、違った? 俺が嫌いになったなら、まだ12時半だけど、デートはやめて今すぐ家に帰ろうか?」 「うん、帰る」 迷いもなくきっぱりそう言うと、あたしは映画館の出入口へと向かって歩き始める。