正直言って今、俺は無性に悲しい。


本当は、結菜を日高のモノになんか、させたくなかった。

できることなら、結菜を俺のもんにしたかった。


けど、本当に好きな女の幸せを願うなら……きっとこれで良かったんだ。



今日から結菜には、日高 翔という彼氏ができたんだから。

俺はもう、あの家にはいられない。


できればずっとこのまま、同居人という形で結菜のそばにいたかったけど……。

さすがに彼氏持ちの女と、2人きりでの同居はまずいし。


さっさと結菜のことは諦めて、早くあの家から出て行かなきゃな。


……家に帰ったら、自分の荷物全部まとめるか。


このとき俺は、結菜と同居してる家から出て行くことを決意し、帰路についた。