「俺は……結菜のことが……嫌いだ」 ───え? 一瞬、時が止まったかと思った。 今、大和……あたしのこと、“嫌い”って言った? 「はっ。俺があいつのことを好きか嫌いかなんて、聞くまでもないだろ。結菜が嫌いだから、あいつを困らせたくて、俺はあいつに意地悪すんだよ。 俺、好きな奴にはそんなことしねぇし」 ウソ……。 「第一、俺の好きなタイプは木下みたいな可愛らしい奴だし。ははっ、俺があいつを好きとか、笑わせんなよ日高」 大和の言葉を聞いて、胸にチクっと棘を刺すような痛みが走った。