ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜



ヤダ。ここ、外なのに……向こうのほうからは、人が歩いてきてるのに。

泣いてるところなんて、見られたくない。早く、泣きやまなきゃ。


そう思って必死に涙を手で拭い取るけど、次から次へと涙が溢れて止まらない。


「結菜っ」


そんなとき、大和の手があたしの腰に回されて、あたしは大和にぐっと抱き寄せられた。


「泣きたいときは、思う存分泣け。
俺の胸……貸してやっから」

「うっう……。やま……と」


それからあたしは、外だということも忘れて、大和に抱き寄せられたまま静かに泣いた。


あたしが泣いている間、大和は時折あたしの背中をポンポンと優しく叩いてくれて。


それが、今のあたしにはとても心地良かった。