「あの……」 意を決して、あたしが口を開きかけたとき…… 「!」 隣からあたしの席に、そっと教科書が置かれた。 「え?大和!?」 「お前、忘れたんだろ?それ、使えよ」 「え、でも……」 「俺はいいから。あの、先生……!」 大和は、自分の席を立った。 「何だ?鮎川」 谷山先生やクラスメイトの視線が、大和に向けられる。 「すいません。俺、教科書忘れました」 「何だと!?」 大和の言葉により、思いきり眉間に皺を寄せる谷山先生。