「……あつっ!」 あたしがしばらくフライパンで玉ねぎと鶏肉を炒めていると、油が指に跳ねた。 「どうした!?」 「あっ、油が指に跳ねて……」 「指、ちょっと見せてみろよ」 大和がフライパンの火を止めて、あたしの手を掴んだ。 「こっ、このくらい別に大したことないから。大丈夫だよ……」 「大丈夫じゃないだろ。指、赤くなってんじゃん。ちょっと、こっち来い!」 あたしは大和に手を掴まれたまま、シンクの前へと連れて行かれた。