「あ、えっと……

本音を言うと、本山と付き合うとか、

そういうの想像出来なくて。

ずっと同じ学校の話して楽しい人って今までは思ってて。

だから――」


「うん、わかった」


私が言葉をあやふやにして、

はっきりしない自分の気持ちを伝えると、

本山は少し落ち着いたように優しくそう言った。


「俺もしかしたらいけるかもって、

全然矢上のことわかってなかった。

……うん、今日は気持ち伝えられてよかったって思うよ。

答えが出せないんなら少しは俺のこと、

恋愛対象としても考えてみて」


恋愛対象として考える……。


「俺が頭撫でたって言った時、

気持ち悪いって思わなかったんだとしたら、

俺にも可能性あるかなとか思ったりして」


「思わなかった、です」

「うん、なら今はそれでいいや」


店に来たときよりも

軽やかそうに見える彼の表情を見て、

私はほっとする。


やっぱりいつもさわやかに笑ってる本山がいいな。