【短】真夏のmystery kiss*+.




「いらっしゃいませ」

いつもみたいに接客をして、

席に案内すると、

久しぶりに見た本山の私服姿に

少し緊張する。


「矢上、何時に終わんの?」

メニューを見ながらの本山にそう聞かれ

「18時だよ」

と答えると、

注文をした後に

「じゃあ待ってるから、少し時間ほしい」

赤く染まった頬をこっちに向けられ、

つられて顔が暑くなった気がした。


「わかった」


私は仕事をしながらも、

緊張で小さなミスを繰り返し

一緒に入っていた人に心配されてしまうくらいには

いっぱいいっぱいだ。


長いような短いような

バイトの残り時間をこなし、

やっと上がれる時間になった。


更衣室で制服に着替えなおすと、

ロッカーの鏡で紙を手ぐしで整え出た。