「じゃあ本当に本山くんなのかなっ！？」
紫は複雑そうに、
でもぎらついた目で私を見た。
「いや、そんなの決まったわけじゃないし……」
第一、やっぱり私は
本山が私に好意を向けてるなんて思わないよ。
「まあ何してたにせよ、
あいつは確かにあの時間校内にいたはずなのに、
何してたかわかんないんだよ」
いつもに比べてだいぶテンションの低いリョウ。
リョウも本山が、あの時……私に、
き、キスをしたと思ってんのかな……？
「とりあえず、
やっぱり最後はその本人に確かめないとだよ！」
紫が「今日はバイト先で会うんでしょ？」
と、圧をかけてきて、
私は本山にこのことを話さないといけないみたいだ。
でも、もし、
それで本当に本山だったら私どうすんの？
リョウから昨日、あんなふうに告白されたし。
私自身、今日は大崎くんにあんなにドキドキして。
それで、本山が私に……。
今まで恋愛なんてあんまり意識して
生きてなかったせいだ。
自分の気持ちが全くわからない。
