「ほら、そこー、いちゃいちゃしないのっ」
「してない!」
紫の指摘が恥ずかしくてすぐに否定すると、
彼女はやれやれという顔をした。
「うーん、とにかく本山永斗、怪しいなー!」
アイスの最後を食べ終わって
紫は空になったチューブを振り回した。
「だからないって!」
私は呆れて否定すると、
「いや……永斗かもよ」
不機嫌そうなリョウが口を挟んだ。
「どういうこと?」
私より興味あり気な紫が聞くと
リョウは「うーん」といって
少し考え込んだ後、話し出した。
「実は俺、昨日芝ちゃんの手伝いしてた時に
丁度俺が居た資料室からふとグラウンドが見えて、
今日みたいにサッカー部が部活してたんだ」
そこで1回私のほうを見ると、
「その時、永斗が居なかったんだよね。
俺1年の時あいつと同じクラスで
まあ仲良くしてたから見たらすぐわかるはずなんだけど、
見つけらんなかった」
リョウがそう言い終えた後、
私は、つまり?と思っていたけど、
紫はすぐに理解したらしい。
「その時間ってもしかして?」
「うん、ナツが言ってた、
あの時間くらいだったと思う」


