「遼太郎くん、でしょ」


……リョウ?


――――――え?


リョウ!!??



「なんでそんなに驚いてるの?」

当たり前って感じの紫の表情にも驚いてるけど、

だってなんで、あのリョウ?


「リョウが私にそんな、なんか、

付き合ってる人とかがすること、するとか……

有り得ないじゃん!!」


小さい頃から知ってて、

いっつも私の後をにこにこついてきた、

あのリョウだよ??


「だって遼太郎くん、夏愛のこと好きでしょ?」


「す、好きって!!……それはっ」

「『幼馴染として』なんて言っちゃ可愛そうだよ?」

「うっ……!」

まさに、私が言おうとしてたことだ。


「夏愛、わかってはぐらかしてるんだと思ってたら、

本当にわかってなかったんだ。

遼太郎くんはさ、夏愛のこと……

いや、いいや、本当のことは本人から聞きなね」


私、何にも気づいてなかった。

今だって、紫の思い違いだなんて思うくらい。

だって私たちはずっと変わらずにいて……


「夏愛、とりあえず、帰ろうか?」


「……う、うん」