好きとスキが重なった日

「美莉亜、ちょっといいか?
美莉亜に話したいことがある」


悠真は重たい口を開き、私にそう述べる。


「うん、座ってゆっくり話そうか」


「あぁ」


それから私達は、リビングの椅子に深く腰掛けた。


悠真はさっきとは違って、表情が明るくなっている。



「実は俺、美莉亜に隠してることがあるんだ…

中学の頃、丁度美莉亜に出会った頃だな
俺は大切な親友と彼女を失った。
親友とは絶交で、彼女は俺に愛想尽かせ、俺の元から去って行ったんだ…

それに俺の彼女は元々体が弱くて、病気になりがちだったのにも関わらず俺は、他に女を作っては弄んでた。

本当に最低だよな

俺は本当の人を好きになること、愛をまだ知らない

あの日美莉亜と出会ったのは、運命の赤い糸が俺を引き寄せてくれたんだよ!きっと


だから…
俺は美莉亜に全て打ち明けようと思った
美莉亜に俺の全てを知ってもらいたかったから。」




悠真に隠された過去…

あまりにも身勝手で、悠真の彼女さんや大切な親友の気持ちを思い浮かべるだけでも涙が出てくる。


本当に辛かったんだろうな…

あの日あの場所にいなかった私は、何があったのかを、悠真の一語一語をパズル形式で穴埋めするしかない。


悠真の大切な親友が悠真の彼女さんを好きになって、どれほど苦しかったんだろう って…



悠真のことより、二人のことを優先的に庇ってしまう。





もしも今、私がその立場だったら




即悠真とは別れてる。






悠真の彼女さんは本当にスゴい人なんだ。