好きとスキが重なった日

ドンッ

悠真が右手を壁に叩きつけ、私達の間に凄まじい音が鳴り響いた。

私は壁ドンされた瞬間…

意識が朦朧とするくらい、胸がドキドキして苦しい。



すると、悠真が私の方へ身を寄せてきて、耳元で低いボイスで囁く。


一語一語ゆっくりで、まるで私の心を突き動かすように…。



「初壁ドンどうだった?」


「うん、中々迫力あるね!

悠真強くやりすぎだけど」


「ごめん、俺だって壁ドンするの初めてだったからさ~」




何て、陽気な笑顔でそう言ったのに、急に悲しい表情に変わり、悠真がいきなり私を強く抱き締めてきた。



「痛いって!ちょっと悠真?」


「もう少しだけこうさせてくれ」


悠真の力が入っていた腕が、だんだん弱くなっていく。


「悠真…」





悠真のこんなにも悲しい表情を私はまだ見たことがない。   







悠真、ねぇ悠真?











私に一体何を隠しているの…?