好きとスキが重なった日

「やっと二人っきりになったな」


邪魔な獲物が居なくなったから狙い目を私に方向転換し、キリッとまた意地悪な笑みを私に浮かべた悠真。


私の胸のドキドキが、自力では治まらないくらい、どんどん高まっていく。



「今、壁ドン流行ってるらしいけどやる?」


「悠真一人でやったら?
私のお気に入りのぬいぐるみ貸してあげる!」


「はぁあ!?
バカでもそんな恥ずかしいことしないから」


「あはは
本気になってる悠真カッコいい!」


「あ?
俺が美莉亜を今から本気にさせようか?」



悪魔みたいに私を誘い出す悠真が、私にだんだん接近してきた。


私は後ろに一歩、また一歩と後退りする。



もう後ろには壁と収納棚しかない。







私、悠真に壁ドンされちゃう。