「美莉亜お待たせ~」


さっきよりも濃い化粧になったお姉ちゃんが、私の方に歩み寄ってくる。

トイレじゃなく、化粧直しの為に行った感じだよね。


「・・・。」


「どうしたの?そんな険しそうな顔して…
何か見ちゃいけないものでも見たかのように」


「ううん、何でもない
早く行こ!」


お姉ちゃんがトイレに行ってる間に起きた出来事を、私は目を背けられなかった。

また思い出してしまう。
小学生の頃の記憶が、私の脳裏にどうしてもやきつく。


お姉ちゃんがトイレに行ってなかったら、私は彼に会わなかったのに・・・


どうして、どうして彼と巡り合わせるのですか?


上の空になりながらも、私はお姉ちゃんと一緒に三階のお店に向かった。

お姉ちゃんが私の様子を見て、すごく心配してる。



でも、だけど…


これも全て、私の本当の気持ちを知る為だったんだ。