好きとスキが重なった日

「おい!中島!何やってんだよ?早くしろ!」


「あぁ、わりぃ」


深瀬の怒鳴り声を聞いた俺は、更に奥へ入り、熊井を椅子に座らせた。


椅子に座らせると、すぐに扉の鍵をかける深瀬。
タッチの差だったのか、扉をドンドン叩く音がする。

深瀬はあまりのしつこさに、思わず耳を塞ぐ。


「なぁ、深瀬…
ちょっとこっちに来てくれないか?」


「あぁ」


「これ見てみろよ!」


俺の言葉を聞いた深瀬が、少し半信半疑になりながらも、俺が指差した写真に目を凝らした。


この写真は、さっき俺が虜になった写真。



「これって…」


その写真というのは、物を取ろうと、耳に髪をかけている仕草を光の加減で、更に美しくさせている写真。


放課後だからなのか、オレンジ色の夕日が眩しかった。
その人は笑顔で満ち溢れ、夕日の光とマッチしている。


俺が虜になったのはそれじゃなくて、その写真に写っている人…。






実は…その写真に写っている人が、美莉亜だったから。