好きとスキが重なった日

しばらくすると…
少し席を立っていた藤木くんが戻ってきた。


「はい、これ!水で良かった?」


「うんっ!ありがとう♪
藤木くんって、本当に優しいよね
絶対好きになる人沢山いそう!!」

"絶対好きになる人沢山いそう!!"と言った瞬間、藤木くんが冷たい水が入ったペットボトルを頬に当ててきた。

冷たっ!!
私は反射的に体を跳ね避ける。


「ちょっと、冷たいよー!!」


「フフっ」

藤木くんは口角を上げ、私に視線を向けている。
やんちゃな幼い子供のように、そのつぶらな瞳が何だかいとおしくて、ずっと見つめていたいと思った。



お母さんが言っていた。
藤木くんは本音で笑えていない
無理矢理我慢している気がするって…。


私は何だかそれが引っ掛かっていた。



だから藤木くんが本音で楽しそうに笑っているのを見ると、私まで幸せな気分なの。



笑えるって幸せなことなんだね。



私は皆が笑顔で笑っている瞬間を、いつかカメラに納めたいな。