好きとスキが重なった日

「で、今日は何すればいいの?」

旧校舎内が、薄暗くて不気味のせいなのか、空気が少し重たく感じた。

そして、その空気を立ちきるように、私は明るい声で言う。


「そうだなぁー
ダブルデートでもする?」


「ダブルデートって…
それ本気にしてる?」


藤木くんが幼い子みたいに、くしゃっと陽気に笑う。
ダブルデートかー…


ってえ?


私…まるで藤木くんの彼女みたいな存在じゃん。

昨日から何だかおかしいよ、藤木くん…
だって藤木くんは、悠真のことが好きなんだよね?

それなら、私を好きにならないはずなのに。



「嘘に決まってんじゃん!
美莉亜ちゃんって、何でも本気にしちゃうんだね

可愛いな~」


「そう?別に本気にしたつもりないんだけどね」


「てかさー、お前ら何?
二人付き合ってるとか?」


私達の話を横で聞いていたリュウが、口を開いた。

いくら面白半分でも、絶対それはないー!!


「んなわけ、ないない!!
藤木くんは悠真の友達だよ?
悠真が夏海先生を驚かせるサプライズしよ!って言い出して、それで藤木くんにも頼んだみたい

だから今日は、そのサプライズの準備ってことで、集まっただけだから!
当日も参加して、三人には盛り上げてもらうよ~」


「なんだー
てっきりそうかと思ってたけど、何か安心したわ」


リュウが安心したのか、さっきまで硬くなっていた表情が、柔らかくなった。


「そのサプライズって、何だか楽しそうだねー」

「それって、旧校舎でやるの?」


明日香とゆずきが口を合わせて訊いてきた。


「うん!一次会が旧校舎で、二次会がカラオケだよ♪」


「へぇ~!すごいサプライズ企画
夏海先生喜ぶね♪」


明日香とゆずきの瞳が宝石のように輝いて、楽しみで、さっきより笑顔が増した。


小さい声だったからよく聞こえなかったんだけど…

藤木くんが"そんなに否定されると悲しいな
やっぱり俺じゃダメなのかな…"


って、ボソッと呟いていた。


俺じゃダメなのかな って、それって誰に対する意味だったんだろう。