好きとスキが重なった日

「いや、何でもねぇよ…」


藤木くんは一体、私に何を伝えたかったんだろう・・・


「そっかぁー」


「なぁ、神崎さん
神崎さんは悠真を幸せに出来るのか?
悠真はああ見えて、案外寂しがり屋なんだよ
だからもし心の中に隙間が空いたら、それを埋めるために他に女を作って遊ぶかもしれない

そうならない為にも、悠真をお前が守るんだ!」


藤木くんが急に真面目な顔をして、私に向かって問いてきた。
悠真が六年前にしたこと、悠真はまだ忘れられないんだよね?

由紀さんと付き合っている時に他に女を作って遊んで、由紀さんや篠塚くんとの辛い経験をしている。

また六年前みたいになったら、ただ辛くて悲しいことの繰返しになってしまう。

私は悠真とは運命なんだ!って、ずっとそう思ってきた。




「私は悠真を幸せにする自信があるよ!
六年前に悠真と出会って、六年後に悠真と再会した
悠真が私を迎えに来てくれたの

私はもし悠真が他に女を作って遊んでも、私は悠真を怒ったりなんかしない

だってそれは、私が悠真の心の中に空いた隙間を、埋めてあげられなかった何よりの証拠だから」


「甘ったれてんじゃねぇよ…
お前は本当にバカだな
運命を信じろ!
そして自分を責めるな!
お前が悠真の心の中に空いた隙間に、二人の思い出やら何やら、パズルで埋め尽くせばいいんだよ

そしたら悠真は絶対お前から離れたりしない
逆にお前だけしか見えなくなるかもしれない

未来を想い描いて妄想すれよな?
その未来は必ず実現する
信じないから実現しないんだ!
信じればきっと実現するから、頑張れ!神崎さん…」


何で藤木くんは私に対して、そんなに熱く真剣になってくれているの?
バカバカって 私はバカじゃないのに。
だけど藤木くんの言葉一つ一つに心が籠ってる。

これは藤木くんの愛なのかな。
私に対する愛じゃなく、悠真に対する愛の方………


夢を100個一ページ一ページに大きくノートに書いたら、その内の10個が一週間以内に叶うみたいに、信じれってこと?

本当かどうかも分からないのに、信じればそれが実現するの?

私達の未来が変わるの?


「あ、ありがとう!藤木くん…
何だか心がジーンとする
藤木くんがあまりにも良いことを言うから、泣けてくるじゃん…

藤木くんも頑張れ!」


私はなぜだか分からないけど、次第にやる気が溢れ、それと同時に鼻をすすった。

私、泣いてる?
私、今すごく嬉しい感情に入ってる。

私の泣き顔を見た藤木くんがあたふたしながらも、優しくハンカチを私に手渡してきた。

カッコつけているつもりだけど、今にも泣きそうなのは藤木くんの方だよ…?

下を俯いて必死に何かを堪えようとしている藤木くん。


これは失恋なんかじゃない。
誰かの為に、恋を譲り受けたんだ・・・



「泣くんじゃねえよ!
俺のメンツが丸潰れじゃねぇかよ…

でもありがとな」


「ごめん、ごめん!!
もう泣かないから」