「それは、美莉亜と俺にとって特別な所
それとさっき、美莉亜の涙拭えなくてごめんな」


「特別な所って、病院に思い出なんかあったっけ?
別に気にしてないから大丈夫だよ!」


悠真と私にとって特別な場所?

そんなとこなんて、ある?
私見覚えない。


「それは着いてからのお楽しみ~」


「教えてくれてもいいじゃん!
それと、いつまで私の腕を掴むつもり?」


意地悪っぽく、ハハハッと陽気に笑った悠真は、私を急かすように歩き続ける。



「ダメだ、俺の楽しみがなくなる

だって美莉亜の腕を放したら、俺の前からいなくなりそうで怖かったんだ…

だからちゃんと、美莉亜が俺の傍にいるって 実感を湧かせたかった」


「私はどこにも行かないよ?
悠真から絶対に離れたりしない!

なら、もっとくっつこうよー」


これは一度っきりのチャンス!だとそう思った私は、悠真と肩を並べてくっつき、悠真の肩を組んだ。



「俺も、美莉亜から絶対に離れたりしない!

それより、肩より腰だろ?腰に腕を回した方が、美莉亜のお尻が触れるからな」


「変態!もうっ…

悠真は私のどこを見てんのよ」


「え?どこって、お前全部

そういう美莉亜は、俺のどこ見てんだよ?顔か?」


「私は他の人みたいに、顔で人を選ばないの!
そう言ったら嘘になるかもしれないけど…

私は悠真の真心や優しさに心引かれた
お年寄りにも優しく同等に接してて、この人なら私将来幸せになるって 思ったの!

悠真に運命感じたんだよ」


「それ本気で言ってんのか!?

俺も六年前から美莉亜に運命感じてた

こうやって美莉亜と一緒にいられるって、幸せだなぁ~」


「本当幸せだよね!
何だかこうやって、悠真と一緒にいられること自体が不思議でたまらない」


「確かに…
俺達が出会う確率なんて限りなく0に近いのに、こうやって運命感じるってことは、俺達が最高にお似合いカップルだってことだ!!


だから、これからも俺と一緒にいてくれるか?」


「うん!もちろんだよ!
これからも悠真の傍にいると誓うよ

だから悠真も、私の傍にいてね?」


「あぁ、美莉亜と約束する」



私達はその場で立ち止まると、ゆびきりげんまんをした。

目を合わせ、小指を絡めてくる悠真にドキドキする。


これが"本当に好き"っていうことなんだ。


でも何で病院で、お互いの気持ち、想いを語り合ってるの~!?