好きとスキが重なった日

「これも大事な仕事の一貫なのよ?
篠塚くんは我が校にとって、とても大切な人なの
そうね、この学校の大きな看板を背負っていると言えば無難かしら?

仕事の邪魔をするくらいなら、早く戻りなさいっ!」


「あぁーそうかよ
有名人だからって、コネ使ってる訳じゃないだろうね?
それだったら呆れるわ
こっちから願い下げだ!
美莉亜を傷付けるアイツなんて・・・
最低な人間としか見れないわ、俺

それじゃあ、失礼しまーす」


相手が篠塚蓮張本人じゃなく、広子先生にも関わらず、急に愚痴を溢して保健室を出て行った。

さっきまでは広子先生に敬語を使っていたのに、急にどうすればそんなに口悪くなるの?



確かに篠塚蓮はいい人だとは思えない。
元に私を襲おうとしていた人だから…。


それに…
悠真のことを傷つけようとした。



そんな人が、この学校の看板を背負っているなんて考えられない。



その後私達は、扉を強く開け閉めして、保健室を出て行くリュウの後を追い掛けた。


リュウが強く扉を開け閉めして出て行っても、広子先生は何食わぬ顔でコーヒーを淹れ始める。


本当は今どんな気持ちなんだろう。



リュウと広子先生…