好きとスキが重なった日

「篠塚くん、あ、あの…
その…大丈夫ですか?」


私は一瞬おどおどと動揺しながらも、篠塚くんに声を掛けた。

当の本人の篠塚くんは明るく髪を掻き上げると、私に向かってニコッとはにかむ。

唇の隙間から見える歯が真っ白すぎて、そっちに気をとられた。


「俺は大丈夫
顔にボールが当たらなかっただけ、助かったからな」


「本当に、助けてくれてありがとう
それにしても、どうして篠塚くんが私を助けてくれたの?」


「俺さ、今試合してて、それでたまたま目の前に神崎さんがいたからかな?
俺の方が一番誰よりも近かったし、それに、女の人を傷つけたくなかった

試合中は危ないから、立ったり、応援するのは止めろって言ってるけどさ、案の定これだからなー」


「私、別に篠塚くんのファンじゃないです!
後、私今から友達の所に行くので失礼します」


「おい、待てよ!後で、校長室に来い!深瀬のことについて、話したいことがある」



篠塚くんは、去ろうとする私の肩をギュッと掴むと、少し俺様感を出しながらも、その目はどこか真剣だった。


悠真のことで話したいことって何だろう?


また嘘デタラメなのかな………。


でもあの目は真剣そのものだし、篠塚くんなら悠真のことで、何か本当のことを知っているのかもしれない。



それ以前に、夏海先生から悠真のことを聞き出す方が早いけど・・・


でも、私にはそんな勇気が無い。


いくら先生であっても…

信頼できる人であっても…