それからしばらく経ち教室に着くと…

いつもの光景が満ち溢れていた。

先に教室に着いていたリュウが、教室の扉を開けて私が入るのを待っていてくれる。


その仕草を今見せたらダメだよ…

私、リュウにまた甘えてしまう。


リュウが私の悲しみを全て見透かしたように、ニコニコして私を一生懸命笑わせてくれようとしてるんだもん!


さっきまではリュウが泣きそうな顔してたじゃん。




何で?何でなの?



私は気持ちを落ち着かせようと、廊下越しに教室の窓を見た。


どうしても青澄んでいる、綺麗な爽快な空を見たかったのに………




悠真の席が、私が見たい景色を塞ぐ。






そこに悠真の姿はなかった。