好きとスキが重なった日

メロディーがかかり、悠真がマイクを持ち歌い始めた。


最初は低音、サビに上がるにつれどんどん高音になっていく。


低音の歌い出しの時、悠真は地声で歌っているはずなのに…

声が明らかに透き通っていた。


耳を澄ませば聴こえてくる、悠真の声がはっきりと。


目を閉じれば、悠真じゃないプロの歌手が歌っている気分。


高音ではお腹の底から声を出し、声量マックス。

別に声が裏返ったりしていない。



ちょっぴり甘いマスクで、人を引き寄せる力が存分にあると感じた。




歌い終わり、悠真は一呼吸置いて私に訊ねた。



「どうだった?俺の歌声」


「すごくいいよ!上手だった!
何かプロの歌手が歌っている気分に陥ったよ

ほら見て!!」


私はそう言って、テレビ画面に向かって指を向ける。




「90点台以上!やっぱりすごいよ、悠真~」


「ありがと
自分で気持ちよく歌っただけ!

何も考えないで、ただひたすら歌ったかな」


「悠真が作詞作曲した歌も早く聴きたい!」


「だーめ!
大事な物は楽しみに取っておくだろ?普通」


「はーい」


「ほら、美莉亜も歌いなよ!」



悠真は慌てて歌については逸らしていたけど、そのくらい悠真にとっては大事な物だと気づいた。





悠真がどんな想いで私にその歌を捧げるのか…?






私も心の決心をしなくちゃ。