「あ……うさぎ…」 「…クリスの事?」 あの黒うさぎの名前はクリスだった。 「迷っちゃって……そのうさぎに着いてったらここに来たみたいで…」 トランプと本の山積みから体を起こした。 「………余計だな……」 「え?何か言った!?何!?」 「別に」 アリスはそう、と言ったら服に付いた埃をはらった。 まったく、この家は金持ちすぎる。 扉、大理石、レッドカーペットが多すぎだ。 広くてよく分からないよ。 「おい」 「何?」 短い髪をなびかせながら振り向いた。