テスト帰りの放課後に何故かアイスを奢ってもらってからというもの、結城くんのいつもの意地悪は加減を覚える…わけもなく。



あのときの女の子扱いは妄想だったんじゃないかと思うぐらいには通常運転だった。



「おはようおちびさん。そんな頑張って光合成しても、人間は大きくなれないんだよ?…あ、ミジンコは別なのかな?」


窓際の自分の席には窓からサンサンと日が照っていて、夏に入りかけているこの時期では日向ぼっこ通り越してすこぶる暑い。

くでーっと机にもたれかかっていれば、いつもの意地悪な声が上から降ってきた。


「普通に自分の席に座ってただけですけど!!自分の席がいい感じに日陰になってるからってさ!暑いんだよこの席!交換しよ!」


「勝手に席替えとか悪いおちびさんだね」


「ちびちびうるさい!!」



わいわいと騒がしい教室の一画で、今日も朝からサタンと対峙する私。

毎日のように繰り広げられるその戦闘は、毎回本鈴によって幕を閉じる。