「あのっ!」 「………何?」 くるりと振り返った姿に少しばかり驚く。 この人、同じクラスの…………何くんだったっけな? 名前が出てこないことに軽く申し訳なく思うけれど、今はそれどころではなく。 「そのパン私が買おうと思ってたんですけど」 その言葉に、目の前の端正な顔はくしゃりと眉間に皺を寄せた。