ふーっ。と我慢から解放され、晴れ晴れしい気持ちのまま手を洗う。


そしてぽっけの中にあるであろうハンカチを探っていれば、珍しく声をかけられた。




「ねぇ、小松さん最近結城くんに近付きすぎじゃない?」


…………はぁ。

何を言われてるか一瞬把握出来なくて、口をぽかんと開けてしまう。


まさか私が自分から進んで結城くんに近付くとか。笑えない。

ドMじゃあるまいし。


「ちょっと、聞いてるの?」


目の前にいる数人の女の子の中の、1番前にいた子が私の肩を押す。


当然そんなの予想していなかった私は、力に抗うことなく後ろのシンクへと手をついた。