「ねぇ、ガムあげよっか?」 ひょい、と緑のガムを差し出してきた前の席の結城くん。 「いいのっ!?」 この種類のガム、好きなんだよね。 すーすーして、美味しいし。 物をくれるだなんて言う結城くんに、やっと観念したかと気分が良くなる。 珍しいこともあるもんだ。 明日は槍でも降るんじゃないだろうか。 「ありがと」 そう言って手を伸ばせば、鋭い痛みが私の指先を襲った。