被害妄想ダーリン


「ヒカル!

俺、ヒカルと友達になれてよかったよ!
はじめはマフィアだよとか宇宙人だとか言ってごめん!」


「いいんだよ、ジョージ!
ジョージの被害妄想も面白かったよ!!」


修司くんの目は泣く寸前だ。


「真知子…」


美希は心配そうに私を見る。


「美希、また会おうね」


「うん…絶対やで」


その会話を最後に、
光に包まれ、目を覚ます。


目の前には、
妖精も美希もいなかった。



「さてと、
帰るか。」


慎一さん達は出口へと向かっていく。


「真知子ちゃん、行こうか。」


「うん…」


私は俯きかげんで歩く。


「楽しかったね!
最高の新婚旅行だったよ!」


確かに…
ながい、ながい…新婚旅行だったのかも。


過ごした時間は、夢のような時間で、
たいして時間はかかっていなかった。


皆、同じ夢を見ていたのかもしれない。


「うん!
楽しかった!!」



そうして、
私達の、長い長い…新婚旅行は終わった。