それは、どんよりとした雲が広がる気分が沈むような日のこと。



教会の鐘が3回鳴り、人々は各々の仕事を終える。



「……では、そういうことで良いですな」



尊大な口調で男は言うと、室内にいる面々を見る。



「えぇ、他意がないのなら本日はもう終わりにしましょう。……議長、それでは」



うむ、議長と呼ばれた男は頷くとひとつ咳払いし鋭い眼差しで一同を見詰め



「では、本日の会議はこれまで。皆、気を付けて帰るように」



解散、その言葉を合図に室内にいた面々はぞろぞろと部屋を出る。議長も机上の書類を纏めて足早に家を出た。



今日は彼にとって、とても大切な日だった。